2022/02/25

乾燥に悩んでいる人にこそ知ってほしい!保湿の基礎知識とケアのポイント

乾燥に悩んでいる人にこそ知ってほしい!保湿の基礎知識とケアのポイント

「寒くなるといつも頬がカサカサしている」「スキンケアの後は肌がつっぱった感じがする」など、乾燥に悩まされている方は少なくないでしょう。「乾燥肌は体質的なもの」と思って放置している方がいるかもしれませんが、間違ったスキンケアが乾燥を悪化させていることがあります。そこで今回は、保湿の基礎知識や正しいケアのポイントについてご紹介します。

保湿ケアの目的はバリア機能を高めること

そもそも保湿とは、「皮膚の水分を補ったり、水分の蒸発を防いだりして、うるおいを保つ(日本化粧品工業連合会より)」ために行うものですが、単に化粧水をたっぷりつければよい、ということではありません。うるおいを保つためには、肌のバリア機能を高めることが不可欠です。
肌のバリア機能とは、必要な水分が体外へ逃げていかないようにしたり、紫外線や花粉、ほこり、細菌などから身体を守ったりする働きのことです。これを担っているのが、皮脂膜と角質層です。

皮脂膜

表皮(皮膚表面)を覆っている薄い膜です。おもに汗や皮脂が混ざり合ってできていて、肌の水分が過剰に出ていかないようにする働きがあります。

角質層

表皮の一番外側にあるのが角質層で、角質細胞などで構成されています。角質細胞には、「NMF(Natural Moisturizing Factor:天然保湿因子)」と呼ばれる50%以上がアミノ酸で構成されたうるおい成分が含まれています。また、角質細胞どうしの間には「細胞間脂質」があり、これもまた肌の水分を守る役割を果たしています。たとえば、保湿成分として知られる「セラミド」は、細胞間脂質のひとつです。

セラミド

このように、肌には水分をキープしたり、外からの刺激から肌を守ったりする力が備わっていて、みずみずしく、柔らかな肌を目指すためには、バリア機能を高めておくことが欠かせません。逆に言うと、保湿ケアを一生懸命行っているつもりでも、バリア機能が低下したままだと、乾燥は改善されず、肌トラブルも起きやすい状態が続いてしまう、ということです。

バリア機能の低下によって起こりうる肌トラブルとは

バリア機能が低下して乾燥が進むと、外からの刺激に対して敏感になって肌荒れが起きやすくなったり、小じわなどの原因になったりします。
また、ターンオーバーのサイクルが乱れる原因にもなります。ターンオーバーとは肌の新陳代謝のことで、このサイクルに乱れが生じると、古い角質が肌にたまってキメが乱れたり、ごわつきの原因になったりします。また、毛穴トラブルやニキビなどの肌トラブルを招いたり、シミの原因になることもあります。
このように、バリア機能の低下はトラブルを招くだけでなく、肌の老化を早める原因にもなるので、要注意です。

そして、バリア機能が低下する要因のひとつにあげられるのが、間違ったスキンケアです。「毎日しっかりケアをしているつもりなのに、肌の乾燥が改善されない」「うるおっていない気がする」という方は、この機会にスキンケアを見直してみましょう。

保湿力を高めるスキンケア:押さえておきたい4つのポイント

保湿ケアを行う上で重要なのは、肌の環境を整え、本来持っているうるおう力を発揮させることです。「化粧水をたくさん塗っているし、大丈夫でしょ」と思っている方がいるかもしれませんが、それだけでは十分とはいえません。バリア機能を高めるためには、保湿はもちろん、洗顔なども含めたスキンケア全体を見直す必要があります。ここでは、肌の保湿力を高めるうえで重要なスキンケアのポイントを4つご紹介します。

1.クレンジングや洗顔の際は摩擦刺激にご用心

肌の汚れを落とそうと、クレンジングや洗顔の際にゴシゴシこすったり、時間をたっぷりかけて念入りにマッサージをしたりする人がいるかもしれません。でも、このような摩擦刺激はバリア機能を低下させてしまう原因になります。クレンジングや洗顔の際には、できるだけ刺激を与えないようにやさしく行いましょう。とくに洗顔の際には、洗浄剤をよく泡立てて、包み込むように洗うのがポイントです。
また、お湯で洗顔する場合には、その温度にも注目してみましょう。お湯が熱すぎると、必要な皮脂まで洗い流されてしまい、バリア機能が低下する原因になります。

2.洗顔後はすぐに保湿

洗顔後は、保湿剤で水分や油分を補いましょう。その際のポイントは大きく2つあります。まず、洗顔後すぐに行うことです。スキンケアを後回しにしてしまう人がいるかもしれませんが、洗顔後は肌の水分が蒸発しやすく、保湿をせずに放っておくと洗顔前よりも水分量が低下してしまいます。そうならないように、洗顔後はできるだけ早く保湿しましょう。
ふたつめはやさしく行うこと。洗顔時と同じく、過度に刺激を与えないようにして、化粧水や乳液、クリームなどは、こすらずにやさしくなじませます。くれぐれも力を入れてパッティングすることのないように気をつけましょう。

パッティング

3.乾燥が改善されないときは保湿剤の見直しを

日ごろから乾燥に悩んでいる方や、レーザー治療後などで肌がいつもより乾燥しやすい方は、保湿剤の見直しを検討してみるのも方法のひとつです。
「とろみのあるもの=保湿力の高い化粧水」と思われがちですが、保湿力を高める成分が配合されているとは限りません。たしかに使用感も大事なポイントですが、保湿剤に含まれる成分にも着目してみましょう。
保湿剤の成分には水溶性と油溶性のものがあります。水溶性の成分は、水分を吸着したり、抱え込んだりして、肌の保水力を高める働きをします。一般的に化粧水に多く含まれていて、グリセリンやアミノ酸、ヒアルロン酸などの成分があげられます。
一方、油溶性の成分には、油分で肌を覆うことによって、水分を蒸散させないようにしたり、水分を挟み込んだりする働きがあります。セラミドやワセリン、アルガンオイルなどがあげられます。一般的に、乳液には水溶性と油溶性の成分がバランスよく配合されていて、クリームなどは油溶性の成分が多く含まれています。
このように、保湿の働きを持つ成分はいくつもあるので、自分に合ったものを探してみるとよいでしょう。

4.紫外線対策も忘れずに

シミの原因として知られる紫外線ですが、実は乾燥の原因にもなります。夏が終わると紫外線対策をやめてしまう人がいますが、シミ予防だけでなく、乾燥対策という点でもおすすめできません。紫外線は秋や冬も降り注いでいますし、室内にいるときや、雨の日でも肌に届いてダメージを与えることがあるからです。紫外線対策は一年を通して行うようにしましょう。

保湿力を高めるためには日常生活の見直しも大切

ここまでスキンケアのお話をしてきましたが、バリア機能を高めるために気をつけたいことはほかにもあります。
たとえば、部屋の湿度。当然ながら、空気の乾燥は肌の乾燥を進める原因になりますから、冬などは加湿器などを使って部屋の湿度をコントロールするようにしましょう。
また、日常生活を見直すことも肌の保湿力アップにつながります。というのも、バリア機能の状態は、栄養不良や睡眠不足といった生活習慣にも左右されるからです。乾燥知らずの美しい肌を目指すためには、健康的な生活を心がけましょう。

睡眠

なお、乾燥だけでなく、赤みや痛みなど、何らかの症状が出ている場合、セルフケアだけでは対処できない可能性があります。そのようなときには皮膚科で相談してみましょう。

まとめ

  • 保湿ケアの最大の目的は、肌のバリア機能を高めること
  • 肌のバリア機能を担っているのは、皮脂膜と角層
  • バリア機能が低下して乾燥が進むと、外からの刺激に対して敏感になり、肌荒れが起きやすくなったり、小じわの原因になったりする
  • ターンオーバーの乱れにもつながり、ごわつき、キメの乱れ、毛穴トラブル、ニキビ、シミなどの原因にもなる
  • バリア機能の低下を招く要因のひとつに間違ったスキンケアがあげられる
  • バリア機能の低下を防ぐためには、クレンジングや洗顔の際は摩擦刺激を与えすぎないようにやさしく行うこと、洗顔後はすぐに保湿すること、乾燥が改善されないときは保湿剤の見直しを行うこと、紫外線対策を徹底することなどがポイントになる
  • バリア機能は生活習慣などからも影響を受けるので、日常生活の見直しも大切

執筆:南部洋子(助産師、看護師)

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