2022/03/29

シミ治療にはなにがいい?レーザー治療・光治療のキホン

シミ治療にはなにがいい?レーザー治療・光治療のキホン

「このシミが気になるな…」そう思って治療方法を調べることはありませんか。シミ治療にはいろいろな方法がありますが、今回はクリニックでよく用いられる「レーザー治療」と「光治療」についてご説明します。次からそれぞれの特徴をみていきましょう。

シミ女性

治療には向き不向きが。特徴や効果は?

レーザー治療と光治療は、どちらもエネルギーとして光を使った治療ですが、その効果や特徴には違いがあります。
レーザー治療と光治療のどちらにも共通した利点は、狙ったターゲット(組織)にのみ影響を与えることができるということです。
これをシミ治療で例えると、狙うターゲットはシミの原因である「メラニン」です。メラニンに吸収されやすい波長の光を照射することで、メラニンには強く作用し、メラニンを含まない組織には影響を及ぼさない治療ができるのです。必要なところに作用し、不要なところには作用させないことができるのが、光のエネルギーを使った治療の利点です。
レーザーや光の影響を受けたメラニンやメラニンを含む細胞は、肌のターンオーバーにより皮膚表面に押し出され、自然に外へ排出されます。

シミが無くなる仕組み

このような作用から、レーザー・光治療は、メラニンが多く含まれる「色の濃いシミ」に特に向いているといえます。色の濃いシミに効果があるなら、薄いシミはより簡単に取れるのでは?と思うかもしれませんが、メラニンが少ないと反応しづらいことから、色の薄いシミには内服や外用剤、イオン導入など他の治療を選択するケースもあります。

〇レーザー治療

レーザーでのシミ取り治療のアプローチは、大きくは3つに分けられます。
一つは、レーザーを強い出力で照射する一般的なシミ取り治療、もう一つはレーザーを弱めの出力で照射する「レーザートーニング」と呼ばれる治療法、そして3つ目はシミを蒸散させて除去する治療法です。

1.一般的なシミ治療(レーザーを強い出力で照射)

1回の治療効果が高く、少ない回数でシミを除去することができるのが特長で、おおよそ1~2回の治療でシミが目立たなくなることが多い治療です。(シミの種類・大きさにもよります)
レーザー照射直後からかさぶたが取れるまでの間は、傷を保護するためにテープや絆創膏などで被覆をします。約1~2週間でかさぶたがとれ、その下からピンク色の新しい皮膚があらわれます。このとき皮膚はとても薄いために、刺激にも敏感な状態ですが、数週間かけて皮膚の厚さがもとに戻り、治療部位が目立たなくなります。

このように、治療後に皮膚の状態が落ち着くまでの期間のことを「ダウンタイム」といいます。レーザー治療には効果が高く治療回数が少ないというメリットがある反面、治療後にはダウンタイムがあります。

治療後、シミがほとんど分からなくなるまでに、治療から約1~2か月かかります。また、1回の治療でシミが取り切れていないときは、6ヶ月程度空けてから次のレーザー照射を行うことが一般的です。また、強い出力でのレーザー治療は、効果が高い反面、一部の人にPIH(炎症後色素沈着)という症状が起こる可能性があります。これは、後述の「レーザー治療と色素沈着」のパートで詳しく解説します。

2.レーザートーニング

レーザーを低めの出力で照射することで、メラニン色素だけを破壊し、周囲組織に強い炎症を起こさずシミ治療ができる方法です。ダウンタイムやPIHのリスクが少ないといったメリットはありますが、1回あたりの治療効果もマイルドになるため、そのぶん治療回数は「強いレーザー治療」に比べ多くかかります。レーザートーニングでは、治療の1~2カ月前から内服や美白剤などを使用することが、治療効果を高めるために有効と考えられています。

レーザートーニング後は、若干の赤みや腫れも数時間で消える程度で、ダウンタイムはほぼなく、治療後すぐにお化粧をすることもできます。

3.シミを蒸散させ除去

前述の治療ではメラニンに吸収されやすい波長のレーザーを用いますが、この方法は水分に吸収されるレーザーを使い、シミのある組織全体を蒸散させて取り除きます。シミの中でも脂漏性角化症や老人性色素斑といった盛り上がっているシミや、ほくろやイボの治療で使われる治療法です。

治療直後からかさぶたが剥がれるまでの1~2週間は、テープや絆創膏で傷を覆います。かさぶたが取れたあとは、下からピンク色の新しい皮膚が出てきます。シミの種類によっては、赤み(炎症)が残ることもあり、赤みが完全に引くまでに数ヶ月かかる場合もあります。

ダウンタイムやPIHのリスクがあるため、治療後3~6ヶ月は、特に肌にやさしいアフターケアが重要となります。

○レーザー・光治療のシミに対する主な分類と特長

以下は一般的な特徴のため、実際にはシミの種類やサイズ使用する医療機器、医療機関によって異なります。
表

〇光治療(IPL)

IPL(Intense Pulsed Light:インテンス・パルスド・ライト)と呼ばれる幅広い波長を持つ、マイルドな光を使用した治療です。

レーザーと同じくメラニンに吸収されやすい波長を中心に、幅広い波長の光を一度に照射するため、シミやそばかすの改善と同時に、くすみの改善やハリ感、毛穴が目立ちにくくなるなど副次的な効果も期待できる治療です。レーザー治療ではシミのある部分だけにレーザーを照射しますが、光治療はシミのない部位も含めたお肌全体に光を照射するため、広範囲の美肌効果が期待できます。

レーザー治療と比べると、1回あたりの治療効果は比較的おだやかです。そのため、悩みにあわせて何度か繰り返して照射を行う必要があり、複数回の通院が必要です。
一般的には1ヶ月おきに4~6ほどの期間で治療される方が多いようです。

治療後は、「マイクロクラスト」と呼ばれる小さな点々としたかさぶたができ、顔を洗っているうちに取れていきます。また、治療後の炎症反応はマイルドなのでダウンタイムもほとんどありません。そのため、治療していることを人に知られずに過ごすことができます。
複数回の通院の必要はありますが、施術後のダウンタイム(赤み・腫れなど)やPIHなどのリスクが少ない点が光治療のメリットです。

患者を診察する女性の医者

レーザー治療と色素沈着(PIH)

 レーザー治療を受けた患者さまの中には「レーザーを照射すればすぐにキレイな肌になる」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。実際にそういう方もいる一方、治療した箇所がまた茶色っぽくなるPIH(炎症後色素沈着)を経験される方もいます。
※参考 西田美穂,大慈弥弘幸:老人性色素版の標準的レーザー治療,
    皮膚科医・形成外科医のためのレーザー治療スタンダード(河野太郎/編):119-130,201

炎症後色素沈着(PIH)とは?

PIH(Post Inflammatory Hyper-pigmentation)とは炎症後色素沈着の略語で、炎症によって生じた炎症物質がメラノサイトを活性化し、色素沈着になる状態のことを指します。
レーザー照射後に一度シミが取れた後、もとのシミの色と同じかそれより濃いシミができることがあります。PIHは誰にでも起きる可能性があり、特にレーザーの炎症が続いている肌に対して、こする・触るなどの物理刺激や紫外線によるダメージ、刺激の強いスキンケアなど、炎症を拡大させる行為によって発症リスクが高まると考えられています。
多くの場合は一時的なもので、レーザー照射後1ヶ月をピークとし、3~6ヶ月かけて徐々に色が薄くなっていきます。PIHが生じた際は、慌てず治療したクリニックに相談しましょう。

表
※使用する機種、照射方法によって異なる

効果的な治療のためにしたいこと

医療機関でどんなに完璧なシミ治療を行ったとしても、その後のスキンケア次第では、色素沈着や再発のリスクが上がる可能性があります。せっかくのシミ治療を効果的に、また炎症後色素沈着を一過性のものとして最小限に抑えるためには、自宅でのケアも普段より一層やさしく行うことが重要です。
また、近年では治療前から肌を整え治療の準備をするという考え方も広がりつつあります。
クリニックごとに先生の治療方針や使用する機種も変わるため、自己流であれこれ行うのではなく、まずはお医者様に相談をしましょう。

・プレトリートメント

治療前に肌を整えておくことをプレトリートメントといいます。治療の1~2か月前 から治療直前までの期間が一般的です。紫外線対策を徹底し強い日焼けを避ける、摩擦を抑えた洗顔料・方法を徹底するなど、皮膚への刺激や炎症を抑えるスキンケアがおすすめです。また、メラニン生成を抑制する美白剤等を使用すると、治療効果の向上やメラノサイトの活性低下によるPIH軽減が期待できると考えられています。

・アフタートリートメント

治療後のスキンケアをアフタートリートメントといいます。
レーザートーニングや光治療の場合は直後から可能ですが、レーザー治療の場合は、かさぶたが取れてからアフタートリートメントを開始できます。PIHやシミの再発予防として、メラニンの生成を抑制する美白剤を用いることも多いです。

レーザーや光治療後の肌は、とてもデリケートな状態です。かさぶたが取れたピンク色に見える皮膚は表皮に充分な厚さがなく、バリア機能が低下し、炎症が続いている状態です。肌への刺激が少なく、バリア機能を補いながら保湿できるスキンケアがおすすめです。 PIHの予防やシミの再発を防ぐために、普段以上に 「遮光」と「刺激を避ける」ことを徹底しましょう。日焼け止めは必須です。また、クレンジングや洗顔時 は摩擦による刺激が起こりやすいので、「摩擦レスの洗顔」を意識すると良いでしょう。

このように、シミ治療では、PIHのリスクや自宅でのスキンケアの重要性などをよく理解することが大切です。せっかくシミをとったのに、またシミができてしまう・・・こういった状態を少しでも減らすためには、患者さまご自身でのホームケアがとても大切です。自分の肌にどんなケアが必要かは、自己判断せずに美容皮膚科などのお医者様に相談してみましょう。

スキンケア

レーザー治療・光治療についてまとめ

  • レーザー治療は色の濃いシミ、光治療は広範囲に広がるシミやそばかすに適している
  • レーザー治療は1回あたりの効果が高く通院回数が少ないぶんダウンタイムがある、光治療は治療効果はマイルドで通院回数や期間が長いぶんダウンタイムや副作用がほぼない
  • レーザー治療後は、炎症後色素沈着(PIH)と呼ばれる反応が起きることが多い
  • 効果的な治療のためには、プレトリートメントとアフタートリートメントが重要
  • PIHの予防やシミの再発を防ぐためには、遮光と刺激を避けることを徹底する
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