2021/07/14

日焼け止めを正しく使うために知っておきたい!日焼け止めと紫外線のキホン

日焼け止めを正しく使うために知っておきたい!日焼け止めと紫外線のキホン

その名前から“日焼けを防ぐことが目的”と思われている日焼け止め。日焼けを予防することも可能ですが、最大の目的は、“紫外線から肌を守る”ことにあります。ただし、その効果をしっかり発揮させるためには、正しい使いかたを知っておくことが重要。この記事では、日焼け止めや紫外線対策のキホンについて、ご紹介いたします。

知っているようで知らない!?紫外線の正体と名前の由来

紫外線とは、太陽光線(日射)の一つです。太陽光線には、可視光線と赤外線、紫外線の3つがあります。このうち紫外線はもっとも波長の短い光で、ほかの太陽光線とは違い、人の目で確認することはできません。
 
また、紫外線は別名で「UV」とも呼ばれています。これは英語の「Ultra Violet」の頭文字をとったもの。それぞれの単語には「Ultra(端、外側)」、「Violet(紫色)」という意味があり、直訳すると「UV=紫色の端(外)」となります。では、なぜこのような名前で呼ばれているのでしょうか。
 
その答えに深く関係しているのが、光の波長です。紫色の光は、可視光線の中でも波長が短いのですが、その次に短いのが紫外線です。下のイラストからも分かるように、紫外線は紫色の端(外)にくるので、「Ultra Violet」「紫外線」と呼ばれているのです。

紫外線の種類

紫外線のことをもう少し掘り下げてみてきましょう。
紫外線の中には3種類の波長があり、それぞれ次のような特徴があります。

UV-A

紫外線の中でもっとも波長が長く(315~400ナノメートル)、雲や窓ガラスをも通過します。また、そのダメージは肌のより深くにある真皮にまで届きます。大気にあまり吸収されずに地表に届くため、紫外線の中ではもっとも照射量が多く、太陽光線の数%程度がUV-Aといわれています。

UV-B

UV-Aの次に波長の長い紫外線(280~315ナノメートル)で、肌の表面に到達します。UV-Bの多くは成層圏やオゾン層で吸収されるため、地表に降り注ぐ量はUV-Aほど多くはありませんが(太陽光線の0.1%程度)、皮膚がんなどの原因になることもあります。

UV-C

もっとも波長の短い紫外線です(100~280ナノメートル)が、成層圏やオゾン層で吸収されて地表までは到達しないので、今のところ直接的な影響はありません(ただし、地域によっては地表に到達しているといわれているところもあります)。

参考:気象庁「紫外線とは」

紫外線の分類

紫外線がおよぼす肌への影響

では、UV-AやUV-Bは具体的にどのような影響があるのでしょうか。
 
「紫外線は有害なもの」と思っている人は多いでしょうが、実は人体に必要な働きもします。その代表的なものがビタミンDの合成。ビタミンDは、カルシウムの働きを助けて骨を健康に保つことに役立ちますが、紫外線にはそんなビタミンDの合成を促進する作用があります。
ほかにもアトピー性皮膚炎など、皮膚疾患の治療に用いられることもある紫外線ですが、たくさんの量を長期的に浴び続けてしまうと、人体のさまざまな場所にダメージを与えることが分かっています。ここでは肌へのダメージとして、比較的早期に現れる急性反応と、長年のダメージが蓄積して現れる慢性反応をご紹介します。

(1)急性反応

日焼け

日焼けには、日に当たってからすぐに赤みやヒリヒリ感などの症状が現れる「サンバーン」と、数日たってから肌が黒くなる「サンタン」とがあります。サンタンが起こるのは紫外線から肌を守ろうとメラニンがたくさん作られるためで、数か月間も肌が黒いままという人もいます。

日光蕁麻疹

アレルギーの一つで、日光に当たった部位に赤みやかゆみが出ます。原因の多くは可視光線といわれていますが、紫外線の影響で症状が出ることもあります。

(2)慢性反応

肌の老化促進

紫外線を浴びると、肌表面(表皮)にある「メラノサイト」が刺激されて、シミのもとになる「メラニン」が生成されます。通常、メラニンは肌の新陳代謝(ターンオーバー)とともに排出されるものですが、加齢やストレスなど、さまざまな原因でそのサイクルが乱れると、肌内部に残ってシミやくすみ、そばかすなどの原因になります。
また紫外線には、肌の弾力や柔軟性に欠かせないコラーゲンやエラスチンの質を悪化させたり、乾燥を増強したりする働きもあります。その結果、肌のハリやツヤが失われると、しわやたるみ、毛穴の開きなどの肌トラブルが引き起こされます。このような紫外線による肌の老化は光老化と呼ばれています。

がん化

紫外線が影響して起こり得る代表的な皮膚疾患として、良性の「脂漏性角化症」や悪性の皮膚がんなどが挙げられます。

ここまで紫外線が及ぼす肌への影響をお伝えしましたが、「白内障」や「翼状片」など、目の病気の発症要因になることもわかっています。

日焼け止めで紫外線対策をしよう

このように人体にとって悪影響の多い紫外線。そのダメージを蓄積させないためには、日焼け止めによる紫外線対策が欠かせないでしょう。毎年、春になるとたくさんの日焼け止めが店頭に並びますが、種類が多すぎてどれを選べばよいかわからない、という人は少なくないはず。そこで、日焼け止め選びに役立つ基本情報として、PAとSPF、そして紫外線吸収剤と紫外線散乱剤についてみていきましょう。

PAとSPF

日焼け止めに記載されているPAとSPFの表記。それぞれ次のような意味があります。

PA

「Protection grade of UV-A」の略。UV-Aを防ぐ効果を示します。紫外線を浴びてから肌が黒っぽくなるまでにかかる時間をどれくらい遅らせられるか、を測定したものです。「+(プラス)」から「++++」の4段階で表されていて、「+」の数が増えるほど、効果が高くなります。

SPF

「Sun Protection Factor」の略。UV-Bを防ぐ効果を示します。紫外線を浴びてから肌が赤くなるまでにかかる時間をどれくらい遅らせられるか、を測定したものです。数値で表され、値が大きいほど効果が高いことを意味します。数値の最大値は「50」で、それ以上のものは「SPF50+」と表記されます。

SPF及びPAの説明

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤

日焼け止めに含まれている成分の中で紫外線をカットする役割を果たしているのが、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤(反射剤)」の2つの紫外線防止剤です。「なんだか難しそうな名前・・・」と思われがちですが、その違いを知っておくと、日焼け止め選びの助けになります。

紫外線吸収剤

肌の上で紫外線を吸収し熱エネルギーに変えることによって、肌を守ります。メトキシケイヒ酸エチルヘキシルやt-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン-3などが、多くの日焼け止めで使われています。
メリットとして、紫外線を防ぐ効果が高いことや、原料が透明で白浮きしないこと、使用感がサラッとしていて、伸びがよいことなどがあげられます。ただし、人によってはアレルギー反応が起きたり、かぶれたりしてしまうことがあります。

紫外線散乱剤

細かい粒子によって、紫外線を反射、散乱させて肌に届かないようにします。おもに酸化亜鉛や酸化チタンなどの白色の微粒子が使われているので、白浮きしやすい点がデメリットといえます。
その一方で、肌への刺激は少なく、敏感肌の人や小さなお子さんでも肌荒れを起こしにくいというメリットがあります。このように、紫外線吸収剤を使用せず、紫外線散乱剤を中心に作られた日焼け止めには、「ノンケミカル」「紫外線吸収剤フリー」などと記載されています。最近では、白くなりにくい原料を使ったものや、ブルーライトや近赤外線もカットできる原料を使ったものなども開発されていて、ノンケミカルの日焼け止めもバリエーションが広がってきています。

散乱剤と吸収剤の違い

自分の肌に合った日焼け止めを選ぼう

このように、紫外線吸収剤にも紫外線散乱剤にも、それぞれメリットとデメリットがあります。日焼け止めを購入する際にはどうしてもSPFやPAの高いものを選びがちですが、大切なのは”自分の肌に合っているかどうか”です。とくに肌が敏感な人や、過去に日焼け止めでかぶれた経験のある人は、使用前にパッチテストをしたり、サンプル品を試したりすることをおすすめします。また、紫外線吸収剤が使用されていないノンケミカルの日焼け止めも選択肢の一つとして考えてみましょう。
 
さらに、これまで日焼け止めで肌トラブルを起こしたことがない人でも、その時の肌の状態によっては何らかの症状が出てしまうことがあります。たとえば、レーザー治療や光治療の後などは肌が敏感になっていることが多く、いつも使っている日焼け止めが合わない可能性も。そのような場合はすぐに使用を中止し、症状が続く場合には皮膚科などで相談しましょう。あわせて、日焼け止め選びを見直してみてくださいね。

日焼け止めと紫外線のキホンのまとめ

  • 紫外線はにはUV-A、UV-B、UV-Cの3種類があるが、UV-Cは日本では地表に届いていない
  • UV-Aは真皮にまで影響が及び、UV-Bは肌表面までしか到達しないが、皮膚がんなどの原因になることもある
  • 紫外線にはよい働きもあるが、長期的に浴び続けると、肌や目などに悪影響が及ぶ
  • 紫外線の影響で起こり得る肌の急性反応として、日焼け、日光蕁麻疹などが、慢性反応として、肌の老化促進(シミ、くすみ、そばかす、しわ、たるみ、毛穴の開きなど)やがん化などがある
  • PAはUV-Aを防ぐ効果を示したもので、SPFはUV-Bを防ぐ効果を示したものである
  • 日焼け止めには紫外線散乱剤や紫外線吸収剤が配合されている
  • 紫外線散乱剤は細かい粒子によって紫外線を反射、散乱させるもので、白っぽくなりやすいが、肌への刺激は比較的少ない
  • 紫外線吸収剤は肌の上で紫外線を吸収し熱エネルギーに変えるもので、紫外線を防ぐ効果が高く、使い心地がよいなどのメリットがあるが、肌に合わない人もいる
  • 日焼け止めは肌に合っていることが大切
  • レーザー治療や光治療後は肌が敏感になっているので、いつもの日焼け止めが合わないときは見直しを
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