2021/08/31

ただの老化とどう違う?「光老化」について解説

ただの老化とどう違う?「光老化」について解説

最終更新日 2023/10/17

老化は誰にでもやってくるものですが、自然な老化に、紫外線をはじめとする光の影響が加わると、肌の状態は大きく変化します。このような「光老化」によるしわはより深く長く、また肌に黄ばみやごわつきも出るため、より老けた印象を与えてしまいます。そこで今回は、そうならないために知っておきたい光老化や予防策などについて詳しく解説いたします。

光老化って?

現代は、オゾン層の減少などによって、紫外線量が年々ふえているのが実情です。女性だけでなく男性も、紫外線対策はしっかり知っておきましょう。
今回はこの光老化について詳しくみていき、予防策なども解説いたします。

光老化と紫外線の関係

太陽光には、近赤外線やブルーライトなどがありますが、紫外線も太陽光の1つなのはご存知のことでしょう。
紫外線には、体内でビタミンDを作るという作用もありますが、それ以上に大きな問題を起こすことがわかっています。
それが、紫外線を浴びることによってからだやお肌の老化を起こす「光老化」という問題です。
紫外線によって、からだや肌にさらに悪い影響を及ぼすのです。

身体への影響

眼:

紫外線によって、ドライアイ、白内障、加齢黄斑変性などを引き起こす可能性があります。

免疫機能:

皮膚のDNAが傷つき、うまく機能しなくなることで免疫力が低下し、体調を崩しやすくなります。

皮膚がん:

皮膚がんは、紫外線が肌に蓄積されているうちに、がん抑制遺伝子に影響を与え、がんの前段階である光線角化症をおこし、やがてがん化すると考えられています。

日光弾性線維症:

日光弾性線維症は、肌のハリが失われ、しわやたるみができる原因とされるものです。真皮の上層から中層にかけては、コラーゲンで占められていますが、この層に何らかの変化があり破壊され肌の弾力がなくなると考えられています。しかしながら、まだハッキリとしたことは解明されていません。

肌への影響

肌に影響を与える紫外線には、UV-AUV-Bの2つがあります。
 

・UV-A

皮膚の深い部分である真皮や皮下組織にまで届くほど波長が長いものです。
線維芽細胞にまで損傷をあたえることで、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの分泌量が低下してしまうので、光老化の主な原因だとみられています。
そのため肌へのダメージも深いです。日焼けするとサンタンと呼ばれる皮膚が黒くなる状態がUV-Aの日焼けの特徴。天気が曇りの日でも、また屋内のガラス越しにも降り注ぎます。
シミやしわ、肌の弾力も奪われてしまいますし、またメラニン色素の合成を増やして、シミが目立ってきます。
肌に赤みや炎症が起きにくいので気が付かないうちに、紫外線を浴びていることがあります。皮膚がんの原因になることもあるため、注意が必要です。

・UV-B

UV-BはUV-Aよりも波長が短く、そのため肌の表面にしか届きませんが、皮膚に直接ダメージを与えます。サンバーンと呼ばれるもので、日焼けすると肌がヒリヒリして火傷のようになる状態です。地表に降り注ぐ量としては、UV-Aほどではありませんが、シミやそばかす等に加え、皮膚がんの原因になることもあります。
ターンオーバーを乱したり、バリア機能を低下させるので、乾燥や毛穴のくすみの原因を招きます。

UV-AとU V-B

このように、紫外線は皮膚細胞にダメージを与え、それが長い時間続くことで、皮膚に変化を起こします。

自然老化と光老化はどう違う?

自然な老化と光老化にはどのような特徴があるのか、それぞれによる肌の違いをみていきましょう。

〇自然老化:

  • しわが細かい
  • 乾燥しがち
  • 皮膚が薄くなる
  • たるみがでる

〇光老化:

  • 細かいしわと深く長いしわ、両方ができる
  • シミができる
  • 黄色味がかった肌色になる
  • 乾燥が強い
  • 皮膚が厚くごわつく
  • ハリがなくなる
  • たるみがでる

しわ、たるみなどの肌の老化現象は、自然老化、光老化両方に表れますが、自然老化(加齢)による影響は2割程度しかなく、8割が光老化による影響です。また皮膚がんにおいても8割程度は、日光に当たる部位に発症すると言われてます。肌においては光老化対策をすることで8割は防ぐことができます。

光老化を予防するために効果的な対策とは

光老化を予防するには、何といっても紫外線対策を十分に行うことです。
具体的な紫外線対策としては、以下のことがあげられます。

  • 紫外線の強い時間帯(午前11時から午後13時)の外出をなるべく避ける。
  • 外出する際には、日陰を利用したり、帽子や日傘を使用する。
  • 長袖など着用し衣類で露出を少なくする。
  • サングラスをかける。

対策

これらのほかに、最も重要なのは「日焼け止め」をきちんと塗ることです。先ほどお話ししたUV-AとUV-Bという2つの紫外線への対策をする必要があります。

・UV-A対策

日焼け止めにPA(Protection Grade of UVA)と表示されているものです。「+」から「++++」まで、防御効果は4段階あります。

・UV-B対策

日焼け止めにSPF(Sun Protection Factor)と表示されています。
SPF値は、1~50までありますが、それ以上のものは、「50+」と表記されています。ただし50以上のものはどれも、それほど効果に差はないようです。
※PA、SPFに関してはこちら

日焼け止めの正しい使い方を知ろう

PAやSPFの効果をきちんと得るためには、日焼け止めを正しく塗ることが大切です。
説明書をよく読んで、効果的に使いましょう。
日焼け止めは、1回塗ったらずっと持続するものではありません。汗をかいたり、汗を拭いたり、手でこすったりすることで、塗った日焼け止めはだんだんと落ちてしまいます。ですから2~3時間おきには塗り直しましょう。特に日差しの強い日は、こまめに塗りなおすことが大事ですので、外出時には常に日焼け止めを持参していくことをおすすめします。首や手の甲、うなじやデコルテなどに塗ることも忘れずに。

紫外線対策とスキンケアについて

光老化によってできてしまった深いシミやたるみは、自己管理だけでは対処できない状態になってしまいます。ですから、光老化を起こさないための紫外線対策は欠かせませんが、基本的なスキンケアをしっかり行うことが、光老化の予防となり、ひいては健康な肌を保つことにつながります。
スキンケアで大事なのが保湿ケアです。加齢により肌の水分量も減って、乾燥肌の原因になります。そのため、化粧品、乳液やクリームなどでしっかりと保湿することも重要です。このような保湿ケアは、皮膚のバリア機能を促進させることにもなります。
毎日の積み重ねが大事ですから、基本的なスキンケアを行って、紫外線だけでなく、乾燥の原因となるほこりや花粉からも肌を守りましょう。

スキンケア

きっと誰もがいつまでもきれいな肌でいたいと思うことでしょう。しかし加齢による老化は仕方のないことです。自然の老化を促進させないためにも光老化をしっかりと予防していきましょう。

光老化のまとめ

  • 光老化とは、自然な老化に紫外線などの光の影響で老化するものをいう
  • 光老化によるしわは「深く長い」。肌には黄ばみやごわつきがでてくる
  • 紫外線のUVAは、真皮まで届き肌が黒くなり、その日焼けはサンタンと呼ばれる
  • 紫外線のUVBは、表皮がやけどのようにヒリヒリして赤くなり、その日焼けはサンバーンと呼ばれる
  • どちらも皮膚がんの原因になる可能性がある
  • 紫外線対策をして紫外線に当たらないようにすること
  • 一番重要なのは日焼け止めを塗る事
  • 日焼け止めは、1度塗っても汗を拭いたりして落ちるので、塗りなおすこと
  • 日焼け止めを塗りなおすためには、常時持ち歩くことが大事
  • 顔だけでなく手の甲やうなじ、デコルテも塗る
  • 予防のためには日焼け止めだけでなく、基本的なスキンケアをしっかり行うこと
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