2021/12/14

美白について ポイント1~美白のメカニズム~

美白について ポイント1~美白のメカニズム~

美白の大敵は、シミ。シミの多くは、紫外線が原因で増えたり、濃くなったりします。そのため、紫外線量が減る秋から冬にかけては、美白ケアをスタートするのに、適した季節と言えます。夏に肌が受けた紫外線によるダメージを回復するのにもいい季節です。
肌のトーンアップを目指す方や、くすみを気にする方もたくさんいらっしゃいます。

本コラムでは、美白のメカニズムと美白ケアをする際によく使われる成分やその働きを紹介します。

美白ケアとは

多くの方が目指す肌は、色が均一で、シミや色素沈着などの少ない肌です。人によって様々な「きれいな肌」のイメージがあります。このような「きれいな肌」のために行うスキンケアが美白ケアといえます。
シミや色素沈着、くすみは、メラニン色素が増え、肌に滞留することでおこります。そのメラニンを減らす対策として、大きくは2つのアプローチがあります。

①今あるシミ(メラニン)をうすくする美白ケア

「今あるシミをどうにかしたい」場合は、医療機関でレーザー治療や光治療ができます。全てのしみに効果があるわけではありません。医師の診察を受けることができるので「これから出来るメラニン」へのケアも一緒にできます。

②これからできるメラニンをつくらないようにする予防的な美白ケア

「これから出来るメラニン」に対しては、自宅でのスキンケア(ホームケア)が特に重要です。病院やクリニックで指示された医薬品や、化粧品を用いてスキンケアを行うこと も含まれます。

毎日行うケアは年齢を重ねていってもアレンジしていくことで、きれいなお肌を維持することが期待できます。まずは自分にあった美白ケアを大まかにでも手に入れることが重要じゃないでしょうか。

スキンケア

メラニンとは

メラニンと聞くと、シミの原因になるイヤなもの、というイメージですが、本来の働きは肌を紫外線から守る大事な役割をしています。
世界中にはいろいろな肌の人がいて、その肌の色は、メラニンの種類や量で決まります。日本人の黒い髪の毛もメラニンによる色合いです。アジア人と欧米人の髪の色の違いはメラニンの違いでもあります。
肌が紫外線を大量に浴びると、表皮の底にあるメラノサイトが、身体を防御するためにメラニン色素をたくさん生成します。メラノサイトから受け取ったメラニンが周囲の細胞の核(細胞の機能を維持するDNAを含んでいる場所)を守るために帽子のよう並びます。これはメラニンキャップと言われ、細胞レベルで日傘のように紫外線対策をしています。
日に当たると肌の色が濃くなるのはこのためです。通常、そのメラニン色素はターンオーバー(肌の新陳代謝)によって、肌の表面に押し上げられて角質層から垢となって、自然に剥がれ落ちます。

メラニン

美白ケアのアプローチ

普段使用したり、これから使用する美白成分がどのように働くのかを知ることが美白ケアでは重要です。ホームケアの効果を上げるために必要な知識です。

1. メラニンを増やす要因をおさえる

紫外線や炎症によってメラノサイトが活性化し、メラニンを大量に生成します。それがシミや色素沈着となります。
様々な方法(日焼け止め、日傘、帽子、洋服など)で紫外線を避けることが美白の第一歩です。また、肌への摩擦、肌荒れなどでも炎症が起きてしまうため、メラニンを増やさないためにも正しいスキンケアが重要です。

2. メラニンの合成をブロック

様々なアミノ酸が肌を維持するために働いています。アミノ酸の一種のチロシンからメラニンは作られます。チロシナーゼという酵素がチロシンに作用することで最終的にメラニンが合成されます。美白成分の多くは、メラニンが合成される経路の途中にかかわって効果を発揮します。

3.メラニンの還元

酸化したもの(酸化物)から酸素をとることを還元といいます。美白成分の還元作用で、作られたメラニンを無色に戻しシミを薄くする作用が期待できます。メラニンを作る経路の途中で巻き戻しのように働きメラニンができにくくする作用もあります。

4. つくられたメラニンが運ばれないようにする

メラノサイトは周りの細胞にメラニンを送り出す作用があります。つくられたメラニンは、表皮の各細胞に運ばれますが、その運搬を妨害することで美白効果を期待します。

5. 滞留したメラニンを排出させる

年齢とともに表皮の生まれ変わり(ターンオーバー)の期間は延長し、出来たメラニンが排出されないでしみや、肌がくすんで見えます。表皮のターンオーバーの停滞を改善させて、メラニンの排出を促し、くすみの少ない明るい肌にします。

代表的な美白成分を図に示します。美白成分は一箇所だけに効果があるだけではなく、複数の箇所に効いてメラニンを減らします。また抗酸化作用と呼ばれる効果によって、様々な生体の変化をもたらします。

美白へのアプローチ注釈入り

次回はポイント2~代表的な美白成分~について解説します。
美白についてポイント2はこちら

<監修>

~プロフィール~
独立行政法人国立病院機構 相模原病院
形成外科・美容外科 秋本峰克先生
https://sagamihara.hosp.go.jp/sinryouka/keiseigeka.html

北里大学卒業後、同大学形成外科入局。その後、地域中核病院勤務にて研鑽を積み、現在国立病院機構相模原病院勤務、形成外科・美容外科 医長となる。
同院では国公立病院としては珍しい美容外科の標榜があり、一般的な形成外科治療はもちろんのこと、美容治療やスキンケアに対する造詣も深く、日夜幅広い治療に専心している。

略歴
・北里大学医学部卒業、同大学形成外科入局
・長野厚生連 北信総合病院 形成外科
・国家公務員共済組合連合会 横浜南共済病院 整形外科
・国家公務員共済組合連合会 横須賀共済病院 外科
・北里大学医学部 形成外科・美容外科学 講師
・2016年より独立行政法人 国立病院機構 相模原病院 形成外科 美容外科 科長

所属学会・資格
日本形成外科学会 形成外科専門医
         皮膚腫瘍外科指導専門医
         小児形成外科分野指導医
         再建・マイクロサージャリー分野指導医
日本熱傷学会   熱傷専門医
日本創傷外科学会 創傷外科専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 美容外科専門医
日本美容医療協会 美容レーザー適正認定

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