2022/10/07
シミとはどう違う!?くすみの原因と対処法
最終更新日 2023/10/17
代表的な肌悩みともいえるシミとくすみ。この2つは並列で語られることが多いため、なんとなく似たようなもの、と思っている方が多いようです。けれども、実はくすみにはいろいろなタイプがあって、加齢によるシミ(老人性色素斑)のように紫外線が影響しているものもあれば、生活習慣がかかわって生じるものもあります。そこで今回は、くすみとはどのようなものか、原因や対処法をあわせてご紹介します。
くすみってどんな状態?シミとの違いは?
いわゆるくすみとは、肌の血色や透明感が失われてしまい、顔全体が暗く見える状態のこと。メラニンの色素沈着によって生じる一般的なシミは、茶色いアザのようなものがピンポイントでできることが多く、周りの人からはっきりと「シミ」とわかることも少なくありません。これに対してくすみは、広範囲にわたって肌のトーンが低く見えるのが特徴です。そのため、なんとなく疲れて見えたり、「具合が悪そう」「元気がなさそう」と思われてしまったりすることがあり、その人の印象を大きく左右することもあります。
また、一般的な加齢に伴うシミは、原因として紫外線が大きく関係していますが、くすみの場合、冒頭で触れたように生活習慣などが影響しているケースも少なくありません。そこで、どのような原因が考えられるのか、くわしくみていきましょう。
シミについてくわしく知りたい方はこちらをご覧ください。
くすみの代表的な原因を5つご紹介
くすみのお悩みは、一般的に20代後半ごろから増え始めるといわれています。そのため、少なからず加齢の影響を受けるものですが、ほかにも次のような要因が関係しています。
角質肥厚(かくしつひこう)
角質肥厚とは、古い角質や汚れなどが肌の表面に蓄積し厚くなってしまった状態のことです。肌のターンオーバー(新陳代謝)のサイクルが乱れて古い角質が肌に残ったままでいると、それが皮脂などと混ざって酸化してしまうため、肌全体が黒っぽく見えてしまいます。
メラニン
「なんとなく肌全体が褐色を帯びているかも」と思った人は、紫外線によるメラニンの蓄積によって肌がくすんでしまっている可能性があります。紫外線を浴びた肌は肌を守るために、メラノサイトを活性化させてメラニンを生成します。メラニンは通常、ターンオーバーの過程で肌表面に押し上げられ、古い角質とともに排出されていきます。ところが、加齢やストレス、生活習慣の乱れ、誤ったスキンケアなどでそのサイクルが乱れると、メラニンの排出がうまくいかずに色素沈着を起こし、くすみの原因になります。
血行不良
肌全体が青黒く見える人は、血行不良や冷えが関係している可能性があります。寒いときに顔色が悪くなる、という経験は誰もがあるものですが、血流が悪いと血色が悪くなり、肌のトーンも下がって見えてしまいます。さらに、血行不良が起きていると、ターンオーバーも乱れやすくなるため、いろいろな肌トラブルが起きやすくなります。
乾燥
意外に思えるかもしれませんが、肌のくすみと乾燥には関係があります。というのも、乾燥してキメの乱れた肌は、表面に凹凸ができて影ができやすく、肌全体がくすんで見えることがあるからです。そのため、肌の乾燥対策や保湿ケアは、実はくすみ予防にも重要です。
黄ぐすみ
肌が黄色っぽく見える「黄ぐすみ」。これには、体内で起こる糖化やカルボニル化が関係しています。
「糖化」とは、コラーゲンやエラスチンといった肌のたんぱく質が体内の余分な糖と結びつくことをいいます。糖化はたるみやしわの原因にかかわっていることが知られていますが、最近、糖化によるたんぱく質の変質が黄ぐすみにも影響を与えることがわかってきています。原因はズバリ食生活における糖の摂りすぎです。
一方で「カルボニル化」とは、コラーゲンなどが体内で酸化した脂質が分解されてできる「アルデヒド」と結びつくことです。糖化と同じく、カルボニル化も黄ぐすみに関係していて、ほかに肌の乾燥にも影響を及ぼしています。こちらも食生活が関連していて、脂質の摂りすぎが原因で起こります。
タイプ別!くすみの対処法について
このようにくすみにはいろいろな原因があり、ケアをする上でも自分のくすみタイプを意識することが大切です。そこで、タイプ別のくすみケアをご紹介します。
角質肥厚タイプはスキンケアの見直しを
毎日のスキンケアを見直して、古い角質や汚れが肌に残らないようにしましょう。必要に応じて、ピーリングや酵素洗顔による角質ケアを取り入れるのもよいでしょう。
ただし、くれぐれもゴシゴシ洗いはしないようにしてください。力を入れてこすり洗いをすると、バリア機能が壊れて肌が敏感になったり、皮脂が過剰に分泌されて毛穴トラブルなどを起こしたりする原因にもなります。洗顔時は洗顔料をしっかり泡立てて優しく洗うようにしましょう。
正しい洗顔方法について知りたい方はこちらをご覧ください。
メラニンタイプは紫外線対策の徹底を
メラニンが原因でくすみが起こっている場合は、紫外線対策の見直しが必要です。自分では日焼け止めなどで対策をしているつもりでも、
またお伝えしたように、メラニンの排出にはターンオーバーがきちんとおこなわれていることが重要です。生活習慣やスキンケアのやりかたを見直したりして、メラニンが蓄積しないように注意しましょう。
血行不良タイプは生活習慣の見直しで血流アップを
血行不良と生活習慣は密接にかかわっています。たとえば食事の内容を見直して温かいものを摂るようにしたり、足元や首元などを冷やさないように服装を工夫したりして、血流の改善に努めましょう。また、適度な運動やマッサージもおすすめです。顔だけでなく、身体全体の血流が良くなるように取り組んでみましょう。
乾燥タイプは保湿ケアを重点的に
乾燥が原因でくすみが起こっている人は、保湿ケアや乾燥対策に重点を置いてみましょう。洗顔後の保湿ケアはもちろん、室内の湿度調整もお忘れなく。とくに乾燥する季節は加湿器などを上手に使いましょう。
黄ぐすみタイプは食生活を改善しよう
お伝えしたように、黄ぐすみには食生活が大きく影響しています。たとえば、毎日欠かさずスナック菓子を食べていたり、お昼は決まって菓子パンを選んでいたりすると、糖質や脂質の摂りすぎにつながります。こうした生活は、肌はもちろん身体にも悪影響を及ぼします。バランスのとれた食事を心がけましょう。
くすみは美容皮膚科の治療で改善する!?
ここまでくすみの対処法をご紹介しましたが、肌の状態によってはセルフケアで改善しない場合もあります。そのようなときは美容皮膚科に相談するのも方法のひとつです。皮膚科にはいろいろな治療法があり、たとえばくすみに有効な光治療やレーザー治療などがあります。興味のある方は一度相談してみるとよいでしょう。
なお、光治療やレーザー治療の後は肌が敏感になっているので、刺激をおさえたスキンケアがおすすめです。クレンジングや洗顔などのちょっとした摩擦が刺激になることもあるので、いつも以上にやさしいケアを心がけてみてくださいね。
まとめ
- いわゆるくすみとは、肌の血色や透明感が失われて顔全体が暗く見える状態のこと
- くすみは疲れて見える、「具合が悪そう」など、人の印象を大きく左右することもある
- くすみの原因は角質肥厚、メラニン、血行不良、乾燥、糖化やカルボニル化による黄ぐすみの大きく5つ
- 対処法として、角質肥厚タイプはスキンケアの見直し、メラニンタイプは紫外線対策の徹底、血行不良タイプは生活習慣の見直し、乾燥タイプは重点的な保湿ケア、黄ぐすみタイプは食生活の改善などがおすすめ
- くすみは美容皮膚科の治療で改善できることもあるが、治療後は肌が敏感なので刺激を抑えたケアをしよう